2017年11月13日–17日、シンガポールで開催された非破壊検査の大規模な学会、Asia Pacific Conference for Non-Destructive Testing (APCNDT)で当研究室出身の小林和弘君（現　情報理工学系研究科創造情報学専攻）と長井助教が成果発表を行いました。

小林君の研究は、X線CT画像中のアーチファクト（本来存在しない像）減少法の提案で、昨年度卒業研究として行ったものです。計測物の姿勢を変えて複数回スキャンし、得られたCT画像群を、アーチファクトがない部分を活かすよう統合することで、アーチファクトの少ないCT画像を得ます。任意の姿勢でスキャンできるよう、専用のユニークな冶具も提案しています。大きな反響があり、質問もたくさん頂きました。発表後も話しにくる人が引きも切らない状態で、大変に好評でした。

長井助教の発表は、平紐の織物構造を有する物体のX線CT画像から、その構造を抽出する手法の開発です。CT値の微分値をベースにして平紐の境界を抽出する手法で、従来法では難しかった同一素材の紐の切り分けが可能です。こちらも海外の研究者の方からお問い合わせをいただきました。

常夏の島で、学会発表後に入ったホテルのプールは最高でした！

当研究室出身で、現在シンガポールで働いている Cheong Chew Min さんご夫妻ともお会いし、楽しい時を過ごしました。

論文情報：

K. Kobayashi, Y. Ohtake, Y. Nagai, and H. Suzuki.
Multi-pass CT Scanning with Orientation Selection and Volume Integration for Metal Artifact Reduction.
In Proceedings of Asia Pacific Conference for Non-Destructive Testing (APCNDT), Tu. B6 (Computed Tomography 1), November13-17, 2017.
http://www.ndt.net/events/APCNDT2017/app/content/Paper/79_Ohtake_Rev2.pdf

Y. Nagai, Y. Ohtake, and H. Suzuki.
Extraction of Woven Strip Structures from its X-ray CT Volume.
In Proceedings of Asia Pacific Conference for Non-Destructive Testing (APCNDT), We. C3 (Radiography 2), November 13-17, 2017.
http://www.ndt.net/events/APCNDT2017/app/content/Paper/221_Nagai_Rev5.pdf

学会情報：

APCNDT2017
http://apcndt2017.com/