交代劇プロジェクト 最後の研究集会
2015年3月8日 赤澤威先生の科研費新学術領域「交代劇」の最後の研究集会がありました。
5年にわたるプロジェクトが終わります。このプロジェクトでは、ネアンデルタールが4万年前くらいに絶滅したのは何故かを、サピエンスとの「学習能力の差」にあるという仮説を立て検証しようというものです。
私は20年ほど前から赤澤先生をお手伝いすることができ、このプロジェクトでも、慶応大学の荻原先生のC01班で頭蓋化石をCTで復元するという研究に参加させてもらいました。脳機能イメージングを研究するC02班と共同で、サピエンスのほうが小脳が大きかったのではないかというデータを示すことができました。
また、他の班でも、地球の気温の変化に対してネアンデルタールの遺跡が急速に縮小していることを突き止めています。環境変化に対して、サピエンスの方がネアンデルタールよりも石器や狩猟方法などのイノベーションを起こす力が優っており、その差がその後の運命を分けた一因ではないか、などの議論がありました。
全部で6個の研究班からなる大きなプロジェクトでしたが、最後はジクソーパズルが組み合うようにして学習仮説のストーリーが構築できそうです。